オエビに投稿させて頂いた絵に「Sweet Planet」(残念ながら閉鎖されました)管理人あきら様がお話を付けてくださいました。
拙い絵には勿体無いお話でございました。

宝として展示許可をお願いさせて頂きました。ご許可ありがとうございました!


僕たちの戦いは無駄ではないのだろうか?
他の誰かを犠牲にしてはいないだろうか?
平和のための戦い…
それは本当に平和と言うのもなのか…。

「ジョー、怪我は無いか…?」
まるで雨が降り出したのを合図にしたかのように戦いが終わりを告げた。
「うん…君も…。」
「心配には及ばないさ…。」
数時間ぶりに会ったハインリヒが柔らかな微笑を浮かべる。戦いの前と違うのは…
「酷い格好…。」
泥と煤で汚れた防護服と身体。そして心の中に残る苦い思いが戦いの記憶となる…。
「お互い様だろ…。いつまでも濡れていてはいくら俺たちだって
風邪でも引いちまいそうだ。さ、帰るぞ?」
少し口角を上げて笑う彼の微笑みが心の中の苦さを軽くしていく。
「うん…。」
ほんの少しの会話で僕の心は苦い思いに心を支配されずにいられる…。
一瞬視界が遮られ、髪を濡らしていた雨の雫が足を止める。
空を見上げた視界には黄色いマフラーが映った。ハインリヒの優しさが僕を覆っていた。
「今更だがな…。」
優しいブルーグレーの瞳が僕を捕らえる…。
お礼すら言えずにマフラーを持つハインリヒの手を握った。
苦い思いを胸に抱きながら、それでも幸せを感じられるのはきっと君のお陰だと…。
君にそう伝えたらどんな返事が返ってくるのだろう…。


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